台風3号九州豪雨災害

7月4日、長崎に上陸した台風3号、
梅雨前線を刺激して、北九州に豪雨、
40万人超に避難指示の大規模水害をもたらしました。

今回の災害。テレビや新聞の報道で見る限り、
目立ったのは、洪水で運ばれてきた多数の「流木」。
これが被害拡大を助長したに違いありません。

大量の流木、どこから? 
被害地ニュースの中心的存在は、
福岡県朝倉市・東峰村、大分県日田市。
そこは、スギ人工林が広がる林業地帯で、
特に日田は、日田杉の名で古くから著名な林業地。

人工林と言えば手入れ不足がよく指摘されるところ。
間伐などが十分でないと、
立木の発達不足(未熟)、土壌劣化を招きます。
それは、豪雨時の土壌流亡・山崩れへとつながり、山崩れでは
立木も共に流し出されていきます(→2010.8ちょっと教えて森林雑学ゼミ)。

細い間伐材もよく売れた、ずっと昔。
植栽から伐採まで長期間かかる人工林施業において
間伐収入は中間収入として大切でした。
しかし、間伐材は安くて採算が取れない昨今、
保育上必要だからと間伐はしても、安価な間伐木は搬出せずに林内に放置、
いわゆる「伐り捨て間伐」が多いのです(→2016.9ちょっと教えて)。
これらの放置木が、豪雨で流出しやすいのは当然でしょう。
今回の被害の状況については、
こうした全国でみられる現状も含めた上で、
慎重に検証することが必要です。

こんなことから、「林業地だからの災害」とか、
「林業が災害を助長」などと、短絡的な意見が出てくる恐れ大。
それはともかく、今日ここでは
「前例のない豪雨のもたらした不可避災害」としておきます。


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京都林大地域連携協議会

京都林大設立後間もなく、結成された
「地域連携協議会」。地元の役場、組合、商店街などが
結束して林大のサポートをしてくれています。
今年度第1回会議が6月26日に。於京林大。

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写真左奥、木の向こうに見える低い建物が京都林大本館、
右手前は京丹波町和知支所で、
2階は林大教室として開放してもらっています。

各方面の出席者から、
過去の支援内容・今年の計画など、報告・論議。
森林組合:実習指導、卒業生3名採用
農協:イベント参加協力
商工会:アルバイト先紹介、イベント手伝い
消防団:災害対応、労働力期待
観光協会:林業の面白さアピール、公園などの樹木名板
道の駅:林大生割引食事、卒業生就職、卒業生結婚式
教育委員会:町内高校の学校林管理、ふるさと学級
駅前商栄会:ふるさと祭、林大出品
JR和知駅:無人駅窓口を地元代行、林大の協力大

JR和知駅は山陰本線・園部-綾部の中間に。
電化はされているが単線。

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駅前本庄には、こんな商店街が。

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京丹波町長・寺尾豊爾氏、和知地区区長会会長・春田貢氏もご出席。
寺尾町長には、良い事を一つ一つ重ねて「発展」がある。
人生において「和知、良かった」と思える学生生活を送ってほしい。
春田会長からは、ゴミ処理などのボランティア活動に
林大生の協力有り難い。「地区唯一の大学」を誇りに思う、
と、それぞれご挨拶いただきました。  
地元に溶け込み、地元とともに生きる。
それでこそ、理想の教育施設です。
今回、またまた感じたのは、地元のあたたかさと大きな支援。
「この地への京林大の設置、やっぱり良かった」でした。

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林大裏山、かつてのマツ林は失われ、広葉樹林に。
中腹以下、スギ人工林立派に。そこへ竹林が拡大中。
麓の白い花はクリ畑。「丹波栗」として名高い、それです。


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林野庁長官講義とドイツ報告会


6月16日、京都林大2年生、大忙しの日。
ドイツ研修旅行(→2017.6森林雑学ゼミ)の興奮、
まだ残るこの日に、林野庁長官・今井敏氏による講義。
題名は「林業振興と地域活性化について」。
これは林野庁の重要な課題ですが、林大学生対象に
「林業の将来を担う皆さんへ」という副題が付き。

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森林資源利用、新たな木材需要、
国産材安定供給、人材育成、など多方面から解説。
そして、京都は特に森林と文化を学ぶ絶好の地、
この地の林大で、人間性豊な学生生活を楽しみながら、
幅広い学習を心掛けて欲しいと、学生たちに話し掛け。

林野庁長官といえば、わが国林野行政のトップ。
京都林大には、2012(平成24)年の開校以来、
毎年、お越しいただいています(→2014.6.21ひとりごとほか)。
直接、時の長官の話を聞き、質問・回答を通じて
言葉を交わすチャンスを持てることは、嬉しいこと。
私は、めったにないこうした機会を、
存分に活かすよう学生諸君に、呼びかけました。
まずまずの意見交換。
後継者育成の質問には「続々設立の林大に期待」のお答えも。

そしてその日の午後、2年生諸君はドイツ研修報告会。
3班に分かれて、見学地の報告、感想を述べました。
シュトライト製材所、フライブルグ市営林署、
シュヴァルツヴァルド(黒い森)、作業機械現場、
ロッテンブルグ林業大学。

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林業では先輩格のドイツの、森林への考え方、その対処、
一般国民の森に対する態度など、学ぶところ多かった模様。
国土森林率30%のドイツの木材自給率100%に対し、
森林率67%の日本の木材自給率、やっと30%という現実は、
学生諸君にも大きな問題として残ったようでした。
今後、研修成果の好展開に期待したいものです。


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森林と市民を結ぶ全国の集い in Kyoto

国土緑化推進機構による「森林都市民を結ぶ全国の集い」。
第21回の今年、6月10~11日、京都で開催されました。
初日は、京都北山、京都東山、森の京都(南丹市美山)、大阪北摂という、
4コースのエクスカーションツアー(体験型見学会)。
2日目は全体会が、京都府立大学・稲盛記念会館にて。

全体会に出席してきました。
開会、主催者ご挨拶に引き続いて、
基調講演は、開催地京都らしく、
聖護院門跡門主・宮城泰年氏による
「森林によって人はどう生かされているのか」。
ご自身の山伏経験も加え、
山林に神・仏性を見る古来の日本人について、など。

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続いて、前日の4コースのレポートを
随行の京都府立大学「森なかま」学生諸君から。
また、パネルディスカッションでは、
木製玩具、炭焼き、農山村生活、林業が
それぞれの専門家から、熱く語られました。 

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歴史的に森林が果たしてきた役割を
京都を中心に掘り起こし、踏まえ、
これからの地域の発展に寄与するにあたっての
市民、企業などのあり方を考えさせる集会でした。

なお、宮城門主の基調講演のなか、こんな話題がありました。
森林率66%を占める山国・ブータンの憲法にはこんな記載があるとか。
「森林率は永久に60%以下にしてはならない」。
なんとびっくり。恐れ入りました。
わが国も真似したいものです・・・。


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京都モデルフォレスト協会総会

昨年設立10周年を終えた京都モデルフォレスト協会。
平成29年度総会が、5月29日、京都ガーデンパレスで。

モデルフォレスト運動は、カナダで発想された
森林持続を目途とする「地域ぐるみの人と自然との共生運動」。 
京都府には、都道府県中で唯一、
そのための協会があり(→2013.3.102014.10.11ひとりごと)、
私は、2006年の設立当初からの会員、2012年からは顧問。
京都林大を通じても、社会人研修講座などに関与。

総会。柏原康夫理事長による開会挨拶の後、来賓挨拶。
山田啓二京都府知事は、昨年の全国育樹祭、森の京都を経て、
「地域」を重く考え、大勢の人々に関与してもらえる
森林環境地方税実現を目指したいと、語りかけました。

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事業報告・計画、決算・予算などの後は、
関西大学教授・楠見晴重氏による記念講演、
「京都 千年の地下水脈」。

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文化・文明の発展に不可欠の「水」。
京都には、大河は無いが、良質で豊富な地下水が。
それが生んだ豆腐、湯葉、生麩などの食文化、
銘酒、茶道、京野菜、染色、友禅、信仰・・・。
大邸宅には池、水に関連する地名も多い。
こう整理されてみると、なるほどそのとおり。
それらの因縁関係や科学的解析、いろいろ。
20世紀は石油の時代、21世紀はまた水の時代、と結ばれた。


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只木 良也

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