伐り株の常識?

大阪の自然大学(市民講座)の実習で、滋賀県北小松の馬ヶ瀬国有林へ。
比良山脈東山麓、目の前は琵琶湖が広がるところ、
ここで森林保育、とくに間伐の実習。

ノコギリで立木を伐るのなんて初めてという人も多く、ちょっとした騒ぎ、
そんな中で、実習生の1人のご婦人、間伐木の伐り株に同心円状の年輪模様を見て、
「わぁ、バウム・クーヘンみたい!」。
そうなんです。ドイツ語で、バウムとは樹木のこと、
そしてクーヘンとはお菓子(ケーキ)のこと、
つまり「伐り株」が本家。

伐り株を見て、「年輪幅が広いから、こっちが南」という人多し。
これは学校でもそう教え、今や常識化しましたが、大誤り。
幹が光合成するわけではなし、
光合成するのは葉、確かに木の南側の葉はその効率が良いはず、
しかし、その産物が真っ直ぐ幹の南側に溜まるはずはなし、なのです。

年輪成長の片寄りは、斜面の向きに影響されるもの。
針葉樹では斜面の谷側で年輪幅が広く、広葉樹では逆に山側が成長する。
針葉樹では谷側を強化して突っ張り、広葉樹は山側を強化して引っ張り、
で、斜面の樹木安定、ということかな。

とにかく
「年輪幅は南側が広い、山で迷ったら伐り株を探して年輪を見よ」
という教え、危ない危ない。
遭難を招く、誤った「常識」。
プロフィール

只木 良也

Author:只木 良也
森林雑学研究室
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